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教えてやろう、レッケンドルフ
作: メイ様

ヴィジホンの音が鳴る。
レッケンドルフ君の手が秒速で動き、応答ボタンを押した。
「はい、こちら元帥執務室です。」
「・・・・オスカーに話があるの。彼を出して頂戴。」
「申し訳ありませんが、フロイライン。執務時間に、お取次ぎはできかねます。」
「あなたじゃ話が分からないわ。つべこべいわずに、とっとと・・・・」
レッケンドルフ君は、とっとと通信を切る。もはや手馴れたものである。

再びヴィジホンの音が鳴る。
レッケンドルフ君の手が音速で動き、応答ボタンを押した。
「はい、こちら元帥執務室です。」
「・・・・えうっ、えうっ。(嗚咽)」
「申し訳ありませんが、フロイライン。まずご用件をお願いします。」
「あなた、ひどい方ね。えうっ、えうっ。オスカーは、そこにいるの?」
レッケンドルフ君は、無言で通信を切る。眉ひとつ動かさない。

またもヴィジホンの音が鳴る。
レッケンドルフ君の手が光速で動き、応答ボタンを押した。
「はい、こちら元帥執務室です。」
「死んでやる、死んでやるわよ、オスカー(絶叫)」
「恐縮ですが、フロイライン。脅迫はいけません。」
「きーっっ。あなたなんかに、この私の気持ちが分かるもんですかあっ」
レッケンドルフ君は、ため息と共に通信を切る。さすがに疲れてきたかもしれない。

「大分、あしらい方を覚えたようだな、レッケンドルフ。」
上官が、にこりともしないで、声をかけてきた。
(・・・・あなた、何をいってるんですか、何を・・・)
誰のせいでこんな苦労をしていると思っているんですかっ、
思わずそう怒鳴りたくなるのを押さえたレッケンドルフ君である。
そんな生真面目な部下の気も知らず、漁色家はうそぶく。
「教えてやろう、レッケンドルフ。女は男を裏切るように作られた生き物なんだ。」
「はあ、そうですか。」
「だから、お前も、女なんぞに、たぶらかされるなよ。」

(あなたこそ、もう少し、女を選べーっっ)

「・・・・いわれなくても、すっかりあなたのせいで女嫌いです。」
レッケンドルフ君は、力なく呟いた。
そして、またヴィジホンの音が鳴る。
「・・・・はい、こちら元帥執務室です。」


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