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ブルーノ (1)
作: メイ様

「・・・・今度は、いつ会えるの?」
ベッドの中から、甘えるような声を出す赤毛の女に男は答える。
「さあな。お前が、いい子にしてたらな。」
鼻を鳴らすような媚を含んだ抗議を無視して、男はホテルの部屋を一人出て行く。
(全く、女ってやつは、何だってああ低脳ぞろいなんだ)
男は、早足で車に乗り込むと、自宅へ向かうよう横柄に指示をした。

「あら、お帰りなさいませ。今日も、お忙しかったようですわね。」
「・・・・学会の会合が長引いただけだ。」
妻の冷たい迎えはいつものことだ。男もまた、不機嫌そうに、いつもと同じ返事をする。
「夜にも会合があるとは、存じませんでしたわ。平民階級から 成り上がるのも、大変なんですわねえ。」
毒を含んだ台詞にほとんどあきれつつ、男は、まじまじと自分の妻を眺めやった。
こんな女でも、出会った頃は美しいと感じたこともある。だが所詮、貴族の身分を鼻にかけることしかできない、つまらん女だ。
夫の目に露骨な軽蔑の光を見出すと、妻はかっとしてなじり始めた。
「ブルーノ、私は知ってるのよ。貴方は、ただ出世のためだけに私と結婚したのでしょう。私には、他にも求婚してくれる殿方が大勢いたのに、よりによって、なんで貴方なんかを選んでしまったのかしら・・・。騙されたわ。私は、貴方に騙されたのよ!」

「・・・・利用される奴の方が悪いのさ」
口元に冷笑を浮かべた夫の言葉に、妻は完全にヒステリー状態に陥り、さすがに辟易したシルヴァーベルヒは一人書斎に篭った。
(女なんて、寝るのと利用する以外に、他にどんな価値があるというんだ)
ふふん、と不敵に笑うと、野性味のある男の美貌にやや陰がさす。
俺は特別なんだ。この俺に利用されるなんて、あの頭の悪い女には勿体ないくらいさ。まあ、アカデミー協会のメンバーになるには、確かに役にはたった。
(だが、俺の道はまだまだこれからだ。女なんて、これからいくらでも新しいのが手に入るさ)



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